自転車通勤規程考3:自転車通勤の費用負担

マイカー通勤だと通勤距離により一定の計算式にあてはめてガソリン代を支給していることが多いですね。マイチャリによる自転車通勤の場合は、ガソリンなどの燃料代は必要ありませんから、何をもって通勤交通費として支給するのかが問題となります。

chari_tax「マイカーなど(自転車含む)で通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額」がありますが、この非課税限度額では、距離が2km未満の場合は全額課税です。このように距離が短く経済的な負担も考えにくいようなならば“通勤手当なし”とし、2km以上の場合には通勤手当4,000円とするという線引きができそうです。また、割増賃金の基礎から除外される賃金の観点からは、距離にかかわらず一律に支給する部分があると、そこは割増賃金の基礎に参入することになりますが、2km未満不支給ですからこのことについては問題ないでしょう。ただ、こう決めた場合には、1.8kmの人は0円で、2.1kmの人は4,000円というふうに、たった300mの違いで金銭的な差がバーンと出るといった不合理さがあり、納得いかない人が出てくるでしょうね。

次に、台風や大雪のときの自転車走行は、大変危険でまともに走れない状況となります。当然、このような荒天時には他の交通機関による振り替え通勤となるわけですが、この費用をどうするか、という問題があります。そこまで天気が荒れたときでなくとも、今日は自転車で行くか・行かないか、どうするかの判断には個人差があります。人によっては、カラッと晴れて気持ちいいから~今日だけ自転車ぁ~、ということもあるでしょうし、さまざまです。

chari_Pそして、駐輪場代はどうしましょう。次の図のパターン1~3のそれぞれで駐輪場が必要です。東京都の条例では、駐輪場を確保することが会社の義務となっています。

パターン1が典型的な自転車通勤ですが、会社のそばに駐輪場を借りる場合、会社と個人でどちらが駐輪場代を負担すべきでしょうか。パターン3はそれに加えて会社最寄駅にも駐輪場が必要です。これはどちらが負担でしょうか?

パターン2は、基本的には電車等の公共交通機関による通勤ですが、自宅から駅まで距離があるので最寄駅まで自転車を使う人です。これが実際にはもっとも多そうですが、自宅から最寄駅までバスを使う人、あるいはマイカーを使って自宅最寄駅に駐車場を借りている人などもいて・・、このような方々に対する費用負担とのバランスを考慮する必要があり、なかなか簡単には駐輪場代を出す・出さない、を決められないですね。

さらに費用の件でいえば、保険料ですね。自転車通勤の途中で人身事故や物損事故を起こした場合に備えて損害賠償の保険に加入することは必須と言われるようになりました。その保険料は、通勤に用いる自転車の場合は、会社が負担すべきでしょうか、個人が負担するべきでしょうか、それとも法定の社会保険料のように労使折半とするべきでしょうか。

マイカー通勤の場合は、オイル代や車検代、タイヤ代まで話しがまれに出ることがありますから、マイチャリによる自転車通勤についてもオイル代や点検代なども検討ですかね。