自転車通勤規程考1:事業所所在地の物理的環境
まず、会社への自転車通勤を考えるうえで、その会社・事業所がどのような場所に存在しているのか、ということは重要です。
A1タイプ(都心・駅近)の会社に勤務する方は、自転車で通う必要はないように思えますが、中には都心に居住していて、駅を利用するより会社のほうが近く、自転車のほうがよっぽど早いという方もいますし、また、郊外から片道20km以上の距離を自転車で往復するという健康志向あるいは災害時の緊急避難に備えて日頃から慣れておくという強者もおられるでしょう。
A2タイプ(都心・駅遠)の会社は、会社最寄り駅から路線バス等を利用することが一般的だと思われますが、中にはバス利用を避けて自転車を使おうという方もおられます。しかし、会社最寄り駅の周辺で駐輪場を確保することがネックとなります。また、A2タイプは、A1タイプよりも、バスへの乗り換えの煩わしさからA1だったら自転車の利用は控えるという人の中から、郊外の自宅から会社まで自転車を利用しようとする人が出てくることがありえます。
B1タイプ(郊外・駅近)の会社は、A2・B2タイプよりも比較的自転車通勤のニーズは低いものの、会社周辺に居住する従業員がA1タイプよりも多くなりますので、A1タイプよりも自転車通勤ニーズは高まるでしょう。また、こういった職住近接なケースでは短時間勤務の主婦パートさんが多いため、ママチャリ利用の自転車通勤は相当数に上ると思われます。
B2タイプ(郊外・駅遠)タイプの会社は、おのずからマイカー(自動二輪・原付含む)通勤、または自転車通勤の割合が多くなります。B2タイプの中でも、会社最寄駅から会社の近くまでの公共交通機関(路線バス等)がないB2-2タイプでは、会社周辺の人口密度が低いことが多く、徒歩で通う人はまれとさえ言えることがあります。
会社(事業所)の物理的環境から私が想像するに、まずは以上のような特徴的傾向が考えられます。自転車を通勤に使ってちゃダメ!と強く出れそうなA1タイプの会社から、自転車通勤はダメ!と言ったら人がいなくなってしまいそうなB2-2タイプの会社まで、百社百様さまざまです。こういった自社の事業所所在地の物理的環境を踏まえて、規程とするからには「許可制」にするのか・しないのか、通勤のための交通用具の一つとしてマイチャリ(自転車)を使っていることを会社に伝えておくだけの「報告制」でよいのか、この辺りを考えなくてはいけませんね。
許可制にした場合、マイカーなどと同様に”一定額以上の損賠賠償の保険に入っていること”というのが付き物になります。しかしながら、最初は保険証券などのコピーを提出させますが、次年度以降はチェックできないとか、保険入らないで自転車を通勤に利用している人がいるが、あまり強く言うと辞められて業務に支障が出るとか、現実的には簡単にいかないことが多いですね。
余談ですが、自家用車で通勤する際の会社が定めたルールが「マイカー通勤規程」と呼ばれることが多いので、マイチャリだと自分の自転車を通勤に使うという感じがするし・・、自転車通勤のルールは愛情をこめて「マイチャリ通勤規程」としたいところですが、一般的でないので今回は「自転車通勤規程」と称します。
-続く-